ひらがな表記の「なぎなた」はスポーツなぎなたのことを
指します。
樫の木の先に竹で出来た切先(きっさき:刃部)を付けた
全長210cm~225cmのなぎなたを使用します。
競技は大きく二つに分かれます。
試合競技という、空手で言う組手のようなもの。
演技競技という、空手で言う型のようなもの。
試 合 競 技
防具を付けた状態で、相手の部位(左図参照)
頭・すね・手・胴・のど を狙って
技を競い合います。
なぎなたの特性上、胴を打たれることは
滅多にないため、面・すね・小手の取合いが
主な試合内容になってきます。
試合時間内に相手から一本・二本と取った方が
勝ちとなり、時間内に決まらない場合は判定。
試合の判定は、攻めの姿勢や試合運び、正しい
なぎなたの使い方などを総合判断して下されます。
演 技 競 技
2人1組「仕かけ・応じ」というそれぞれの役割に
分かれて決められた技を繰り出し、二人の呼吸と
技の美しさを競います。
大会では、2組のペアが同時に演技をし
優れていたペアを5人の審判が選定する方式で
勝敗を決めます。
1本目~8本目まであり、なぎなたの正しい使い方
体の使い方が凝縮されています。
精神修養だけでなく、姿勢や気の充実にも良いため
ご高齢の選手も多く、大会も開催されています。
メリット①
正しい姿勢・礼節が身に付く
武道全般に言えることですが、背筋・首筋・鼻筋が通り
正しい姿勢が身に付きます。
なぎなたは、左右対称な動きが多いため、体が歪んでいると
右は綺麗だけど左はズレてるな?なんてことが…
演技競技は技のきれいさを競うので、練習の中でも
姿勢を指導される場面が他競技より多い印象です。
武道は礼に始まり礼に終わる。
練習会場に入る時、出る時は必ず礼をします。
試合時はもちろん、練習でも礼しまくりです。
先輩後輩、小学生から高校生まで
皆でやるので、いつの間にか礼儀が
当たり前になるんですね。
メリット②大きな大会に進みやすい
なぎなた漫画「あさひなぐ」では
薙刀は高校部活会のアメリカンドリーム!
スポーツに縁のなかった人間でも全国に
その名を轟かすことができる!
という言葉が出てきますが、正にその通り!
県内でもやっている地域や学校は限られるため
市の予選を勝ち抜いたら、県大会すっとばして
東北大会!なんてパターンもあります。
(その地域によりますが)
なぎなた自体がもともと、女性でも扱いやすく
威力を発揮できる武器であるため
他武道よりも力や体格に左右されにくいのも
いきなり活躍できちゃう理由の一つかもしれませんね。
画像出典 「あさひなぐ 34巻表紙」
メリット③ 自分で考える力が身に付く
デメリット面でもあるのですが、なぎなたはマイナー競技です。
指導者も不足気味で、部活で「?」を浮かべる顧問の先生も
多いと思います。
だからこそ、選手が自分で考える余地が沢山ある競技だと思います。
なぜこういう動きをするの?手は足はどう使うの?
なぜ勝てたの?なぜ負けたの?
自分で考えて、試して、直す。
これってこれからの時代で一番大事な人間的能力だと思います。
デメリット 判定基準があいまい
なぎなたは、まだまだマイナー競技です。
なぎなたは審判の旗の数によって勝敗が決まります。
演技競技・試合競技ともに、応援してる側からすると
「なんで今のが決まらないの?」
「えっ?なんでうちの子負けたの?」ってなりがちです。
柔道、フィギュアスケート、新体操、などの競技は
ポイントが明確化されて判定の勝ち負けが決まりますね。
(勝ち負けの基準が見えなかった空手の「型」も
オリンピックによって明確な点数基準が設けられましたね)
もっとたくさんの人になぎなたを知ってもらうには
越えなければいけない大きな課題だと思います。